企業の責任
2012.05.12 Saturday |
昨年の東日本大震災による原発の被災が影響し、今日本にあるすべての原発が先日、稼働停止状態になった。
原発の稼働の是非はともかくとして、先日関西電力が「原発が全部止まったから、この夏の電力は不足するかもしれない。節電の協力をしてほしい」と発表した。また、その前にも東京電力が「原発を止めたので、火力発電に頼らざるを得なくなった。そのためコストが上がり、経営が苦しいから値上げをする」と発表した。(発表の内容はわかりやすい言葉に置き換えております)
電気は貯めることができないから、24時間365日フル稼働で発電が必要である。
電力会社は当然、何かあっても対応できるよう、万全を期しているべきである。
電気・水道・ガスのライフラインは、震災や戦災のあとでも一番に復旧するべき重要なものだ。
水道はそれぞれの自治体に任せられているが、私の住む自治体では、浄水場にいつでも緊急用の給水ができるよう、設備を整えてある。複数の箇所にある浄水場のひとつが使用できなくなっても、ほかの浄水場で対応できるよう設計されている。昨年近所にある浄水場の設備を見学し、その設備に感心したものだ。
ガスは民間企業が主に取り扱っている。昨シーズンは非常に寒波が激しくて、昼前から夕方にかけてガス給湯器が断水したり、配管が破裂するなどトラブルがひどかった。ガス業者はてんてこまいで修理に追われ、震災の影響で品薄の中よく頑張ってくれていた。
で、このたびの電力会社は「震災で原発が止まったから○○できない」と堂々発表してきたわけだが、電気はそもそも、発電するのに大がかりな設備を必要としている。当然、発電所のある地域に何かあったら、複数の発電所が一斉に発電できなくなることもありうる。平和な日本でも、テロとか事故とか自然災害とか、あるいは戦争も全くないとは言えない。
どんなことが起こっても、とりあえず必要な電力を供給できるよう確保しておくのは、電力会社の義務じゃないのか?震災で部品が供給できなくなったら、ほかの地域で増産するよう調整するなど、先の震災でどこの業界もやっていたことだ。電気だって同じだろう。民間のガス会社でさえ、震災で品薄だから供給できませんと発表しただろうか。ネットで検索してみたけど、そんな記事は見当たらなかった。
電力会社がどこもそうであるのかどうかは知らないが、関西電力も東京電力も、企業としての責任がなさすぎではないか。今だって大きな会社は節電に協力しているし、クールビズも当たり前に定着してきている。これ以上節電できませんとは言わないが、企業の努力が先じゃないのかと思うのは私だけではない。
今後、どんな災害が起ころうとも、いざという時に電力不足で計画停電などしなくて済むよう、改善をしてもらいたい。計画停電するにしても、信号まで止めては危険極まりない。もっともっと、企業努力をするべきだ!電力会社。