空ヲ撮ル
定年になったら自営業が目標。ぼつぼつ更新。

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眠らない街から/A列車で行こう 大和和紀                 
この本を初めて読んだのは、高校生のとき。
いわゆる”オタク系”の友人がクラスにいて、いろんな漫画を借りて読んだ中にあったものだ。
大和和紀といえば「はいからさんが通る」や「あさきゆめみし」が有名どころだけど、短編ものもちょくちょく描いていて、これが結構面白い。

「眠らない街から」とその後編「A列車で行こう」は、10歳の女の子が主人公。離婚した父が一人で子育てをしている様子を描いたものだが、都会の真ん中にある古いビルで暮らしながら人情あふれる生活を送っており、父親の娘に対する愛情、別れた妻への想い、元妻の母(主人公にとって祖母)の想いなど、結婚と子育てにまつわる心模様が描かれている。高校生で読んだときにはよく理解できていなかったが、大人になり、母になって読み返してみるとこの漫画の奥深さがよくわかる。こんな親でありたいものだとつくづく思う。

今の世の中にも蔓延する、シングルでの子育て、仕事をしながら子供を育てる難しさ、子供の貧困問題、親離れできない子と子離れできない親の問題など、30年も前に描かれたとは思えないほどの話題がぎゅっと閉じ込められている。保育園問題や子供の貧困問題について、ぜひとも政治家に読んでもらいたいとさえ思う作品。政治家が漫画読むのか(読めるのか)どうか知らないけど。
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とめはねっ!−鈴里高校書道部  河合克敏                 
以前から興味があって、読んでみたいと思っていた漫画。
昨年末に古本屋で1巻を立ち読みし、これは面白いと買って帰った。それがあまりにも面白くて、翌日には続きを買いに行き(古本だけど)、結局2週間程度で全巻揃えて読み終えてしまった(古本だけど)。

副題のとおり、高校の書道部を舞台にした漫画である。
お話は主人公とヒロインが高校に入学し、部活紹介で書道部の揮毫(きごう)パフォーマンスを見るところから始まり、鈴里高校の書道部で成長していく姿を描いている。
面白いのはキャラクター設定。主人公:大江縁(おおえゆかり)は小学2年生からカナダで育った帰国子女の男子高校生。日本の学校では授業で習字をやることも知らずに書道部に入部し、一から学んでいく。
かたや、ヒロイン:望月結希(もちづきゆき)は小さい頃から柔道を学び、その腕前は日本一と言ってもいいほど。きれいな字を書きたくて柔道部と掛け持ちながら書道部に入り、書道の楽しさに目覚めていく。
この二人を迎え入れる書道部の先輩3人も個性的で魅力的、さらに書道部のライバル鵠沼(くげぬま)高校の書道部も個性が強くて面白い。鵠沼高校書道部が「書の甲子園」に出品するのをきっかけに、鈴里高校書道部も世界を広げていくことになる。

この本の面白いところは、ただ書道が上手になっていく過程を描いたわけではなく、書の歴史や成り立ち、背景や書き手のエピソードなど、書道を知らない人にもわかりやすい解説が繰り広げられるところ。
漢字の成り立ちや歴史背景の説明が多いため、漫画に出てくるのは中国史が多い。作者が男性だからか、歴史はわりと詳しく描かれている。女性は歴史をいろいろ説明されると頭に入らなかったり、飽きちゃう人もいると思われるが、面倒なら詳細は読み飛ばしても(失礼)話は理解できるようになっている。
また、ヒロインが体育会系の性格の上、天真爛漫であっさりしているのがいい。テンポよく話が進むのも、このヒロインの性格のおかげだと思う。

これを読んで、私もまた書道をやりたくなった。この本にある基礎をやったら、前より上手に書けるかも。なんて思ってしまうくらい面白い。一気に最終巻まで読み終えたら、あまりの充実感にため息が出た。



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